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安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

Canonのカメラで「雅」撮って出し

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Picture Style Editorを使って、Pentaxの「雅(MIYABI)」のPicture Styleを作成しました。

ファイルはこちら↓↓↓からダウンロードできます。

230713_Pentax雅風のPictureStyle.pf3

作成方法は以前と同じ *1 です。Canon EOS R50でキヤノンの6色相チャートを撮影し、Canonの「忠実設定」で現像した画像と、Pentaxの「雅」のカメラプロファイル(dcpファイル)を詐称して現像した画像とを比較して作成しています。

数値で見る「雅」の特徴

撮影したチャートは下記のようになります(トリミング加工済)。

比較用(トリミング)

上がCanon「忠実設定」。下が(詐称した)Pentax「雅」です。

各色相の数値を拾いました。

比較チャート

色相

大きく異なるのは緑で、「雅」の緑はかなり黄緑色寄りです。ただ、グリーンの色相はかなり幅が広い *2 ので、ぱっと見はそんなに差を感じません。

それ以外の色相はわりと普通です。

彩度

けっこう濃い味付けです。

緑の(さらに両隣の黄・シアンも)彩度がかなり低めです。基本コンセプトとして、ネイチャー撮影の際に樹木の緑が飽和しないよう配慮しているのかもしれません。

一方、青紫とマゼンタを目一杯鮮やかにしています。やはりネイチャー撮影の際に、空や花が鮮やかになるような味付けにしているのかもしれません。

明度

僅かな味付けです。詐称に使用したK-1 IIのプロファイルは、やや明るめに処理するようです。青紫とマゼンタはやや暗めです。「深い」色になります。

輝度ごとの色転び

所有しているK-30で露出をバラして空を撮って出し撮影してみた *3 ところ、輝度ごとの色相は僅かに変化がありました。ただ、Adobeカラーで現像してもやはり色相は僅かにゆらぎます。意図した「味付け」を行っているようには感じなかったので、RGBトーンカーブの編集は不要と考え、今回、Picture Styleの制作を行っています。

作例

作例は撮って出しではなく、DPP4上で今回作成したpf3ファイルを適用しています。

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余談01|カメラごとのプロファイルの違い

今回はK-1 IIのカメラプロファイルを詐称して、EOS R50に適用しました。Lightroomに登録されている雅を適用可能なPentaxのカメラは、

  • 645Z
  • K-1
  • K-1 II
  • K-3 II
  • K-3 III

です。目視で比較したところ明らかな差はほぼないように見えました。今回使用したK-1 IIのみ、色調は他機種と同じですが、やや明るめでした。

唯一、K-3 Mark IIIのみ色調・濃度がわずかに異なりました。

K-3 Mark III

↑各機種のプロファイルで現像した画像を1/5にカットし、並べて比較しています。左4機種は色調に差がないので境目は見えません *4

余談02|詐称プロファイルと色温度

Pentaxのdcpファイル *5 の改造(カメラ名の詐称)を行うと、他のカメラのrawファイルを現像する際、色温度が正しく認識されないようです。

カメラプロファイルと色温度

ホワイトバランスを太陽光に設定したEOS R50で撮影したrawファイルの色温度Lightroomでは[5,150 / +9]となりますが、詐称したカメラプロファイルをあてがうと色温度の表示値が大幅に変わります 。表示値のような色温度になるのではなく、表示「値」のみが変わります。

そのまま「撮影時の設定」で使うのであれば大きな問題はありませんが、Lightroomプリセットの「自動」や「太陽光」を適用すると大幅に色温度が狂います。


*1:

*2:グリーンの色相の分布についてはこちらのチャートを参考にしてください。

*3:検証画像は割愛します。

*4:よく見ると左隣のK-3 IIもわずかに違いますね。

*5:他のカメラのdcpファイルでどうなるかは検証していません。おそらく全部、色温度の表示は狂うのでしょう。