3年ほど前に行った *1 、Classic Chrome風のPicture Style作成を改めてやってみました。
カラーチャートの作成
Photoshopで比較撮影用のカラーチャートを作成しました。
- 「Canonの6色相」をチャートにしています。
- 背景にニュートラルグレー(r:127 g:127 b:127)を配置しています。
- Picture Styleの適用時に飽和しないよう、透明度を変更(上:30%、中:20%)することで彩度を下げています。実際にはチャートの上段のみを使用しました。
カラーチャートの撮影と下処理
カラーチャートをPCの液晶画面に表示させ、FujifilmのX-T100でraw撮影しました。
- 液晶画面のモアレが発生しないよう、マニュアルフォーカスにしてピントを外しています。
Canon「忠実設定」プロファイル
- Lightroomを使い、詐称したEOS M2の「忠実設定(faithful)」プロファイル *2 で現像しました。
- 背景のグレーが(r:127 g:127 b:127)に近くなるよう、ホワイトバランスと露出を調整しました。
- ホワイトバランスと露出以外のパラメータは変更していません。
Fujifilm 「Classic Chrome」プロファイル
- Lightroom内蔵のClassic Chromeプロファイルに変更しました。それ以外の設定は同じです。
- 全体的には彩度が下がり、やや明るく(浅く)なりました。
- ホワイトバランスが崩れ、やや冷調(青緑)になっていることがわかります。
比較データ
上記の画像2つをPhotoshop上で比較しました。
色相
- シアン、青紫、マゼンタの色相で大きな差異が生じています。
- 緑の色相はあまり変化がありませんが、どちらもオリジナルのチャート(130°)とはかなり異なります。
- 差分の数値をそのままPhoto Style Editorに入力しました。
彩度
- クラシッククロームは全体的に彩度が低くなっています。
- 青紫(B)のみ彩度が上がっています。結果、全体のホワイトバランスは冷調になっています。
- 差分をそのまま入力するのも違う気がしたので、追加処理しました。彩度変更(赤:54→42)の割合(42/54=78%)を計算し、差(78-100=-22%)を入力しました。単なる差分入力よりは変更量は増えますが、2倍まではいきません。正しいかは不明です。
明度
- 全体的に明るく(浅く)なっています。
- 差分に彩度と同様の処理を加え、Photo Style Editorに入力しました。
トーンカーブ
- 今回の測定方法では調べることができないので、変更していません。カメラ本体の設定で近づけます。
カメラ本体側の設定
撮影に使用するCanon機の設定を変更することで、よりClassic Chromeに近づけます。
露出
- 1/3段(0.33EV)程明るくした方がよいようです。ただし、Classic Chromeの傾向なのかX-T100の傾向なのかはわかりません。
彩度
- 今回調べた補正値はカメラプロファイルの相対値です。実際にClassic Chromeの印象に近づけるにはやや全体の彩度を落とした方がよいようです。-1.0にしています。
コントラスト&ダイナミックレンジ
- コントラストはやや下げる方(-1)がClassic Chromeに近づきますが、Canon機の「オートライティングオプティマイザ」を「強め」にする運用がよいかもしれません。ただ、Fuji機の「DR200」「DR400」の近似表現のために、使わずとっておいた方がよいかもしれません。お好みで。
シャープネス
今回作成したPicture Styleファイル
こちらからダウンロードできます。DIGICの世代によってシャープネスのパラメータが異なるので、適宜変更してください。ロックはかけていないので、再編集も可能です。
追記 キヤノンの「ニュートラル」をベースに、Provia、Astia、Velviaも作りました。
作例
気が向いたら。ただ、いまさらデフォルトのClassic Chrome風に撮影しても仕方がないので、
など、自分好みの「Recipe *3 」にして使った方が楽しいと思います。そのベースに使う程度の再現は十分できています。
◎作例は作成したプロファイルを使っていますが、彩度は高めに変更しています。
追記
こちらの記事も併せてお読みください。僅かですが、クラシッククロームも輝度毎に色相がシフトします。