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安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

Classic Neg.をLightroomで再現する

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Fujifilmのフィルムシミュレーション「クラシックネガ(Classic Neg.)」をAdobe Lightroomで再現してみました。

再現度は7割ほどですが、xmpファイルを共有します。具体的な調整数値はこちらを確認してください。

230702_Classic-Neg風.xmp

作成方法は前回のノスタルジックネガ再現 *1 の時と基本同じです。クラシックネガを撮影できるFuji機は所有していません。

◎記事内の写真はEOS R50で撮影したrawを今回の設定で現像したものです。

所感

以下は、Adobe Lightroom(やCanon Picture Style Editor)を使ってのFujifilmのフィルムシミュレーションをいくつか再現してみての感想です。

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色相の調整幅が足りない

ノスタルジックネガ、クラシックネガ、などのフィルムシミュレーションの色転びを再現するには、各色相のLightroomの調整幅は十分ではありませんでした。特にマゼンタの色相転びは大きく、HSL/カラーを最大値の100まで使っても補正しきれません。

以前作成した(一見「普通」の)アスティアなども、Picture Style Editorで色相調整した際に補正量が足りず、意図通り再現できませんでした。

Adobeの5ゾーンではきめ細かく調整できない。

明暗の調子は、操作が容易かつ数値で直感的に把握できる、Adobeの5ゾーン *2 (=「コントラスト」「ハイライト」「シャドウ」「白レベル」「黒レベル」)を使って調整しています。「トーンカーブ」はあまり使っていません。

階調の「考え方」を再現するのであればこちらで十分ですが、細かく追い込みたい場合にはやはりざっくりすぎるようです。

ただ、トーンカーブをS字/逆S字にして、要所の輝度を調べて、コントロールポイントをたくさん打って……と調整していたらおそらく作業は終わらず、同じところをぐるぐるいったりきたりだと思います。なので、これはこれでよしとします。

ちなみに、クラシックネガの「絶対に白飛び・黒潰れ許さないマン」を再現するには「白レベル」「黒レベル」の調整だけでは足りず、トーンカーブの両端を操作 *3 する必要がありました。

Adobeの8色相」では足りないが…

色相別の操作はAdobeは最大8色相 *4キヤノンは6色相 *5 です。

「ぱっと見の雰囲気」の再現であればこれで十分なのですが、特定の色相、具体的には「肌色」や「(木々の)葉の緑」を厳密に再現するにはもう少し色相が細かく分割されていれば、と思う事が多かったです。

肌色は色相の僅かな違いに気づきやすいですし、グリーンは色相の範囲が広いので、意図する色に調整するのは難しかった(うまく補正しきれなかった)です。

また、個々の色相をそれぞれ大きく操作した結果、隣の色相との間にバンディング(グラデーションのジャンプ)が一部に発生してしまいました。これはRGBのカーブの操作では発生しないと思うので、作業の容易さと画質はトレードオフなのかもしれません。

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今後について

気が向いたらまた別のフィルムシミュレーションを作ってみようと思います。

  • Fujifilmの「エテルナ」などは作る価値がありそうです。
  • SIGMA fpの「ティール&オレンジ」「パウダーブルー *6 」などもいいですね。ただ、どのように素材をあつめてどのように再現しましょう……。
  • PENTAXの「雅」などもCanonの撮って出し用に作ると *7 便利そうです。ただ、CTEと組み合わせないと真価を発揮できない気もします。
  • RICOH GR用の「ネガフィルム調 *8 」も地味によいかもしれません。
  • SONYのイニシャル2文字系もどうでしょう。

その前に作った設定でもっと撮影すべきですかね……。

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*1:

ノスタルジックネガ再現と異なる点は、

  • 色温度は操作せず。
  • 彩度を大幅に下げている。

などです。

*2:本来は「露出(ミドル)」含めての5ゾーンです。今回は露出は変えていません。

*3:

トーンカーブの両端をカットしています。 トーンカーブの両端をカット 「入力:0」を「出力:5」に、「入力:255」を「出力:250」に。

*4:

*5:

*6:fp所有の方が作成していました。 nomber9.com xmpファイルの配布はしていないようですが、数値・カーブの編集時の画面は掲載されています。

*7:作成しました。ネイチャー写真によいと思います。

*8:作成しました。地味でした。