Fujifilmのフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ(Nostalgic Neg.)」の再現 *1 をもう一度やってみます。
Adobeカラーをベースにした、どのカメラでもFujifilmのノスタルジックネガ風に現像できるAdobe Lightroom用の設定です。
前回は精度の低い測色に、目視による中途半端な変更を加えてよく分からないものになってしまい、途中で断念しました。今回は完全に目視のみによる再現です。
比較・再現用のrawファイルは前回同様、海外のレビューサイトからお借りしました。
色温度の調整
ノスタルジックネガはぱっと見、かなり温調(アンバー寄り)に見えます。基本的な印象に近づけるために色温度を調整します。
「撮影時の設定」の数値 *2 から、Yellow方向に+300します。
階調の補正
ノスタルジックネガは70年代のニューカラーの写真集、すなわち、「ネガプリント」を「紙に印刷した」状態を再現したフィルムシミュレーションとの事です。
- 紙は発光しないので絶対に白飛びしません。白レベルをうんと下げます。
- 黒潰れしないよう、黒レベルを上げて暗部の階調を残します。
- その他、バランスをとるために見た目を比較しながらコントラストを上げたりハイライトやシャドウを調整します。
などの設定で印象が近づきます。このような設定になりました。
トーンカーブの編集
「ネガプリントっぽさ」の再現 *3 は、輝度毎の色相の変化がキモだと考えています。ノスタルジックネガの画像全体はアンバー寄りですが、シャドウ部はブルーに転びます。B(Blue)のトーンカーブを操作して、シャドウ部の色調を変更します。
Bのトーンカーブのみ編集しています。シャドウ部はB寄りに、ハイライト部は僅かにY寄りになる逆S字型のトーンカーブにしています。
ここまでの調整で基本的な印象はかなり近づいたような気がします。これで終わらせてしまってもよいくらいです。
個別の色相の調整
個々の色相(8色相)をそれぞれ編集します。
諧調の破綻が起きないようざっくりと±10〜20で。ただし、マゼンタはかなり色転びするようなので、+100にしています。ほとんどレッドです。
これで一旦完成です。
作例
記事内の写真はEOS R50で撮影したrawファイルを作成した設定で現像したものです。
普段の色調とは明らかに変わってはいますが、再現がどの程度うまくいったかはよくわかりません。
数年後に中古のX-S20あたりを購入して、答え合わせしようと思います。
設定ファイル
それなりに雰囲気のある現像設定としては役に立ちそうなので設定ファイルを配布します。
色温度は対象外にしているので、現像時に+300してください。彩度やシャープネス、ノイズリダクション設定なども対象外です。