Lumix S9 *1 等で使用する事を想定した、「自然な彩度」を使えるようにするlutを作成しました。
いくつかの写真編集アプリの「彩度」「自然な彩度」 *2 の対応状況について軽く調べてみました。以下のようになります。
「彩度」も「自然な彩度」も使えるアプリ
Adobe製品
Photoshop、Lightroom、Premiereなど、Adobeの主要なアプリは「彩度」「自然な彩度」どちらも使えます。
写真.app
iOS(iPhone・iPad)の写真.appは「彩度」「自然な彩度」どちらも使えます。
…っていうか写真.appは編集パラメータかなり多めですね。シャープネスも複数あるし、色温度調整もいろいろです。私のイメージしていた「Apple製品」とかなり違います。変更・調整可能な設定が少なく、でもデフォルトのままでベストに近い結果を出してくるのがAppleの「シンプル」さだと思っていたのですが……。
写真現像アプリ
Pixelmator、Affinity Photo、Luminar、DxO PhotoLabなど、メジャーな写真現像アプリはだいたい「彩度」「自然な彩度」どちらも使えるようです。
DaVinci Resolve
動画編集アプリのDaVinci Resolveは、「Color Boost」という機能が「自然な彩度」に近いようです。
どちらかひとつしかないアプリ
メーカー謹製のraw現像アプリ
キヤノンのDigital Photo ProfessionalやニコンのNX Studioでは、「彩度」の操作しかできません。カメラメーカーはハードに気を取られてソフトは手を抜いてるのでしょうか。残念です。
Google Photos
AndroidアプリのGoogle Photosのパラメータは「彩度」のみとなります。こちらを使ってカラーチャートに+100してみたところ、
色飽和や色転びの挙動は「自然な彩度」に近い *3 ものでした。
一つだけ搭載して操作をシンプルにするなら、やはり「自然な彩度」ですね。さすがにGoogleはよく解っています。
LUMIX Lab
Panasonicのlut作成・管理ソフトのLUMIX Labにチャートを読み込ませて彩度を+100してみたところ、
なんだかよくわからない色飽和・色転びになってしまいました。Photoshopの「彩度」よりも汚い印象です *4 。これはちょっと使いたくありません。
lutで再現
LUMIX Labの「彩度」が残念だったので、対応策を考案しました。lutを使って「自然な彩度」を再現します。
↑ 左:調整レイヤーの適用 右:lutの書き出し
Photoshopの調整レイヤー「自然な彩度(+100)」を、lutとして書き出しました。3DLUTの.cube形式です。グリッドポイント数はLUMIX Lab推奨の33としています *5 。
できたlutをLUMIX Labに登録し、チャートにlutを100%で適用してみました。
若干の乱れはありますが、「自然な彩度」と同様の効果となりました。lutの適用度を変えることで基本機能の「彩度」の代替として利用できると思います。
Lumixはlutの複数適用もできるので、カラグレ用のlutとも併用できます。
作成したlutファイルはこちらからダウンロードできます。「241107_vibrance100.cube」です。
作例(ではない)
作成したlutと直接の関係はありません *6 。DPP4から「送る」でPhotoshopに受け渡し *7 、「自然な彩度」を多めに加えた写真です。