coluli

安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

Adobeの8色相

気になったのでちょっと調べてみました。

AdobeのCameraRaw/LightroomやPhotoshopには、「カラーミキサー」「HSL/カラー」という、画像を色相毎に、色相・彩度・明度を調整する機能があります。

Adobeの8色相

操作できる色相は8つに分かれているのですが、この8つはそれぞれどのような色相なのでしょうか。

360°を8等分で、45°ずつなんでしょ、と軽く考えていましたが、違うようです。

45°間隔の8色相

↑ 45°間隔だと緑の色相がかなりの幅をしめ、通常考える「色相環」と感覚的に違うものになってしまいました。

ネットで調べても情報は特に出てこないので、とりあえずスライダーの端っこのピクセルの色を拾ってみました。

操作スライダーの8色相

↑ そうそう、感覚的にはこんな感じです。ですがなんの根拠もありません。

気になるのでさらに調べてみました。

全色相16bitAdobeRGB

↑ 0°から359°までの色相をPhotoshopで描きました *1 。左肩が0°、右に移動で10°単位で変更、それを下にコピーして1°ずつ色相を回転させています。右下が359°です。

この画像を「カラーミキサー」で操作すると下記のようになります。

1_レッドの彩度を-100に ↑ レッドの彩度を-100にしています。
レッドとマゼンタの領域に変化があります。変化の頂点(最も彩度が低くなる箇所)は、336°です。マゼンタ側でした。

2_オレンジの彩度を-100に ↑ オレンジの彩度を-100にしています。
オレンジの狭い範囲に大きく影響があり、レッドやマゼンタにもわずかに影響があります。変化の頂点は、36°です。

3_イエローの彩度を-100に ↑ イエローの彩度を-100にしています。
イエローの極狭い範囲にのみ影響しています。変化の頂点は、53°です。

4_グリーンの彩度を-100に ↑ グリーンの彩度を-100にしています。
もともと多い、グリーンのかなり広い範囲に影響がありました。変化の頂点は、80°です。黄緑色の位置です。

5_アクアの彩度を-100に ↑ アクアの彩度を-100にしています。
アクア(青緑)の狭い範囲にのみ影響しています。変化の頂点は、169°です。

6_ブルーの彩度を-100に ↑ ブルーの彩度を-100にしています。
ブルーの広い範囲に影響しています。変化の頂点は、203°です。ほとんどアクアの位置に近いです。

7_パープルの彩度を-100に ↑ パープルの彩度を-100にしています。
ブルー側にもそれなりに影響があります。パープルの列はほとんどグレーになってしまいました。変化の頂点は、287°です。

8_マゼンタの彩度を-100に ↑ マゼンタの彩度を-100にしています。
かなりピンポイントでマゼンタだけがグレーになりました。変化の頂点は、316°です。

影響の幅もそれぞれ異なるのが意外です。また、変化の頂点が必ずしも影響範囲の中央ではなく、端にあるのも驚きました。

変化ピークの8色相 ↑ 頂点の色を拾って8色相を作りました。これが「Adobeの8色相」です。感覚的にはちょっと納得いかない感じもします。


余談ですが、先日私が作成した手作りのカラーチャートを撮影した *2 結果(の色相を拾ったもの)は下記になります。

手作りカラーチャートの数値

「差分を取るからアバウトで大丈夫」と考えていましたが、ダメダメでしたね。でも、93色の色紙では、パープル・マゼンタ・レッドの差はけっこう再現難しそうです。


*1:AdobeRGBの16bitです。

*2: