dcpToolを使い、Pentax K-30でもカスタムイメージのいくつかをLightroom上で利用できるようにしました。
カメラプロファイル
Lightroomには、カメラの機種ごとに専用のプロファイルが用意されています。専用のプロファイルを使用して現像することで、カメラメーカーが最適化した、カメラメーカーの意図する(「撮って出し」と同じ)色調の画像を得ることができます。
メーカー側からのプロファイルの提供ぐあいはまちまちのようで、Pentaxでは、特定の機種(=上位機種)のいくつか向けに、プロファイルのいくつか(全てではない)が用意されています。
たとえば、最新のAPS-C機「K-3 Mark III」には、「鮮やか」「風景」「ナチュラル」「人物」「雅(MIYABI)」の5種類が用意 *1 されています。
カメラプロファイルの編集
一方、私が購入した旧機種のK-30用にはプロファイルが用意されていませんでした *2 。そこで、K-3 Mark III用のプロファイルをコピー・編集し、カメラ名をK-30と詐称することで、K-30のrawでもLightroomで使えるようにします。
変換にはdcpToolを使用します。macOSの場合、ターミナルを使わず、バッチ処理などを簡単に行える専用アプリが有料で用意されていたのでそちらを使いました。
- 既存のプロファイル(.dcp)を作業用ディレクトリにコピー。
- dcpToolで.xmlファイルに変換(デコンパイル)。
- エディタを使い、xmlファイル内に記述されているプロファイル名を任意のもの(例:Pentax Vibrant)に変更。
- 同じく、記述されているカメラ名を利用したいカメラの名称(Pentax K-30)に正確に変更。
- dcpToolで.dcpファイルに変換(コンパイル)。
- 使いやすい任意の名称(例:PENTAX K-30 Camera Vibrant.dcp)をつけて、ユーザーのライブラリ *3 に格納。
- Lghtroomを再起動。
して使います *4 。
↑ ファイル名、格納サブディレクトリ名は任意です。他に倣ってそれらしく命名しています。
↑ Adobeプロファイル以外に、登録した5つのプロファイルを選択できます。適用例
上がAdobeカラー、下がK-3 Mark III用のプロファイルを編集して作成したK-30用の雅(MIYABI)プロファイルです。
「雅(MIYABI)」は植物の緑色の濁りが少なく、みずみずしい印象です。
ここまで空の色が変わるとは……。
ホワイトバランスや彩度など、カメラプロファイル以外のパラメータは全て同じ *5 にしています。
「ほのか」は?「里び」は? Fujifilmのプロファイルは?
残念ながら、Lightroomに格納されていたPentax用のプロファイルはベーシックな5種類だけでした。「ポップチューン」や「リバーサルフィルム」も見当たりません。
また、Fujifilm用のプロファイルも見当たりません。Fujifilm機のrawならフィルムシミュレーションを適用できるのに不可解です。どこか見えないところに隠しているのでしょうか。
*1:
macOSの場合、下記に格納されています。
/Applications/Adobe Lightroom Classic/Adobe Lightroom Classic.app/Contents/Resources/CameraProfiles/Camera
Windowsの場合は、下記に格納されています。
C:\Program Files\Adobe\Adobe Lightroom Classic\Resources\CameraProfiles\Camera*2:もちろん、Adobe Standardで現像するためのプロファイルは用意されています。
*3:
Macの場合、
/Users/ユーザー名/Library/Application Support/Adobe/CameraRaw/CameraProfiles
Winの場合、
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Adobe\CameraRaw\CameraProfiles*4:はしょりました。細かな使い方については他の方のサイトを参考にしてください。
*5:
追記|詐称プロファイルでは、数値ベースでの色温度指定は正しく機能しないようです。