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安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

Olympus E-M10 Mark III ピクチャーモード比較 03

前回のテストでは「ハイライト・シャドウ」の数値を変更して白飛び・黒つぶれを回避しようとしました。

今回は、ピクチャーモード内のパラメーター「階調」の挙動を確認してみました。

階調を「標準」から「オート」に変更すると、輝度差の激しい条件でハイライト部・シャドウ部が抑えられます。

「階調:標準」 vs 「階調:オート」

一見、単に1/3段程度、全体を明るくしているだけのようにも見えますが、シャドウ部を持ち上げつつハイライト部を抑えています。赤丸の個所などに着目するとよくわかります。

以前PanasonicのG7でテストした、「iDレンジコントロール」とほぼ同種の機能ですが、それよりもかなり強めの補正がかかります。

シャドウ部のノイズ発生やハイライトの階調の不自然さなど、若干の不安もありますが、実用になりそうです。

積極的に使ってみようと思います。

Olympus E-M10 Mark III ピクチャーモード比較 02

デフォルトに近い前回の設定では、自分好みの映像にならないので、設定を変更します。

ハイライト・シャドウの数値を変更して、再度テスト撮影をしてみました。

前回と異なる設定は下記のようになります。

  • ハイライト:-7(最大値)
  • シャドウ:+7(最大値)
  • ホワイトバランスをデフォルトの昼光に戻しました。

いくつかのカットは多少自分の好みに近づいてきました。白飛びも減りましたが、前回の撮影と天候が異なるのでまだ何とも言えません。 また、人工物を写し込んだ結果、鮮やかなモチーフでは色飽和が発生していることがわかりました。

同日に撮影したおまけのカットを加え、好みの色調のカットをPremiere CCで色補正してみました。

鮮やかな発色やコントラストの高さなど、ピクチャーモード「Vivid」が自分の好みのようです。ただし、ぬいぐるみのマフラーや交通標識など、色飽和が激しいものについては「Flat」など別のピクチャーモードを使っています。

緑色に転んでいるように感じたので、色温度を若干マゼンダ側に補正しています。

Olympus E-M10 Mark III ピクチャーモード比較 01

E-M10 mk3の画質設定について試行錯誤しています。

場当たり的にでなく体系的に把握したかったので、基本5種類のピクチャーモードのすべてを同じ条件で撮影・比較してみました。

  • シャープネス:-2(最低値)
  • 階調:標準
  • コントラスト:±0
  • 彩度:±0
  • ハイライト:±0
  • シャドウ:±0
  • ピクチャーモード「i-Finish(i-Enhance)」の効果は「標準」です。
  • 「高感度ノイズリダクション」はOFFにしています。
  • ホワイトバランスは昼光です。微調整(A+1 G-1)しています。
  • 露出はオート(評価測光)です。露出補正はしていません。

どのカットもメリハリの強い、家庭用ビデオカメラのような絵作りです。元気がある、迫力がある、とも言えます。

ただ、あまり好みではありません。

Lumetriスコープ13

Premiere CCの編集時にLumetriスコープを確認したところ、大半のカットで白飛びが発生していました。黒つぶれも多数発生しています。輝度差の大きい撮影モチーフを多く選んだせいもありますが、どれも中域のトーンは少なく、階調は上端・下端に集中しています。

最もコントラストの低い、ピクチャーモード「Flat」のカットのみを選び、Adobe Premiere CCにて、補正してみました。

ハイライト:-40 シャドウ:+20

しています。

残念ながら、ハイライトが白とびしている箇所、シャドウが黒つぶれしている箇所については、いくら補正しても戻ってきません。

撮影時の設定で対応する必要があります。

Olympus E-M10 Mark III 4K動画の解像

Olympus E-M10 Mark IIIとPanasonic DMC-G7の4K動画を比較してみました。

PanasonicDMC-G7に比べ、明らかに解像が劣ります。

G-7 >>> M-IS Off = M-IS 2 > M-IS 1

という感じでしょうか。「超えられない壁」とまではいかないので、使い続けようと思いますが、ちょっとがっかりです。

画面を拡大すると、

Panasonic DMC-G7(400%)

↑G7はきちんと解像しているのに比べ、

Olympus E-M10 Mark III M-IS 1(400%)

↑E-M10 mk3のM-IS 1モード(センサーの中央をクロップしたソフトウェア併用によるスタビライズモード)はディティールがかなり溶けてしまっています。 M-IS 2モードM-IS OFFではごくわずかに「まし」ですが、G7にはかなり劣ります。

原因01:ビットレート

DMC-G7はCBR(固定ビットレート)の100Mbpsですが、E-M10 mk3はVBR(可変ビットレート)の「最大」100Mbps102Mbpsです。作例ではE-M10 mk3の方は画面内に動く要素がほとんどないこともあり、30Mbpsほどしか出ていません。ビットレートに3倍以上の差があります。

原因02:ノイズリダクション

撮影時にはどちらもノイズリダクションを設定可能な最小値にしていますが、完全に「OFF」にすることはどちらの機種もできません。ノイズリダクションは解像とトレードオフなので、影響している可能性があります。

原因03:センサーの読み出し方式

動画を生成するにあたり、センサーからの情報をきちんと全て読み出せているか不明です。以前、SonyNEX-5Rを使用した際に「間引き読み出し」特有の動画の劣化がありました。今回の場合は、さすがに電線が「点線」になったりはしていませんが、タイルの壁がモアレっぽくなっています。高圧縮時特有のノイズとも考えられますが、「センサーからの全画素読み出し」はどうも行われていないように感じます。


でもしばらく使うつもり

とはいうものの、E-M10 mk3のセンサー手ぶれ補正+ソフトウェア手ぶれ補正は本当に強力で実用的なので、総合的な画質を考えると、あきらめずにしばらくは使い続けてみようかと考えています。

同様の手ぶれ補正の機能を持ち、かつ高ビットレート収録が可能なE-M1 mk2や、「全画素読み出し+オーバーサンプリング」を謳っているSonyのα6500などにも食指が動きますが、がまん、がまんです。

180122|追記 「全画素読み込み」でなく「全画素読み出し」でした。

180212|追記 撮影時のISO感度が異なっていた可能性があったので、再度テストしましたが、同様でした。

サイトをhttpsにしました。

(こちらは旧blogのコンテンツです)

サーバーを契約しているhetemlでは、無料のSSLサービスがあるのでそちらを利用しています。SSLが使える新環境に移行後、コントロールパネルのボタンを数回クリックしただけで作業は完了しました。

設定直後はWordpressダッシュボードにアクセスできなくなるなど、挙動が不安定でしたが、一晩経ったら普通に使えるようになっていました。

その後、.htaccessの設定(参照したのはこちらのサイトとなります)、コンテンツ内のhttpでの絶対パス記述をプラグインで置換し、無事作業は完了しました。

一部のFlickrの写真をhttpで直リンクしていたところがありました。こちらは手作業でエンベッドし直しです。

「水道管式」スタビライザー

今年(2017年)の夏にビデオスタビライザー「クランプ式」を制作しました。

その際、DIYスタビライザーを作るきっかけとなった2009年の記事、「14ドルで作るビデオカメラスタビライザー」を思い出しました。当時から8年ほど経ってしまいましたが、今回作ってみました。

◎制作にあたっては、改良型のFinalCutKingの動画「15ドルのDIYステディカム」を参考にしています。

DSCN1437

こんな感じの外観です。材料はすべて地元のホームセンター、島忠で購入しました。 「15ドル」ではとても買い揃えられず、パイプ(「ロングニップル1/2」)や継手(「キャップ」や「チーズT」)だけで3,000円ほどかかっています。 グリップ部にはスポンジ製のパイプをはめています。1個250円くらいのものです。

DSCN1446

クイックシュー中国製の安くて丈夫なものAmazonで1,000円ちょっと)を使いました。

DSCN1440

平たい板に垂直にパイプを取り付けるソケット(「座付L型ソケット」)が一番高価でした。これだけで1,580円しました。モノタロウなどで購入すればもっと安く済むはずですが、購入してみるまでは名称すらわかりません……。

DSCN1439

ベースとなる合板の端材は10円でした。

DSCN1445

四角いものを購入したので、横にしてもハンドルを立てておけます。丸型を買わなくてよかった……。

DSCN1442

30cmのパイプ2本にハンドルです。E-M10にはこのくらいの組みあわせがちょうど良いようです。

DSCN1427

重量バランスを取るために鉛粒(1kgで2,000円ほど)をパイプの中に入れるつもりで購入しましたが、特に必要なさそうです。

DSCN1443

30cmのパイプと50cmのパイプにハンドルです。長い管を使った方が安定性は増すのですが、長すぎると使っている時に結構な確率で足で蹴ってしまいます。

先日の「クランプ式」もそうですが、作ったはいいのですが、まだテスト撮影していません。

8bitに収めるために

log収録

logについて調べていて気づきました。

仮に8bitのlog収録で14Stop確保できたとしても、1Stopあたりの階調数が少ないとしたら、ポスタリゼーションのようなバンディングが発生してしまいます。

バンディングはハイライト部で露見されることが多いようですが、当然中間調でも同様なことが起こっているのでしょう。

また、log収録のグレーディング前のヒストグラムを見ると、ハイライト部、シャドウ部の階調をほとんど無駄にしている様に見えます。8bitのlog収録では、256階調のうち、実質中央の128階調ぐらいしか使っていないのではないでしょうか。

階調に余裕のある、10bit・12bitのlog収録、raw収録ができないのであれば、通常の設定で撮影するしかないと考えています。10bitでも余裕はあまりないと考えています。

Fujifilmの絵作り

Fujifilmのデジカメのサンプル画像を観察していて気づいたのですが、シャドウ部をけっこう早めに潰してしまっています。結果、メリハリのある画面が実現しています。 逆に、シャドウ部をさっさと潰してしまう分、残りの階調を中間調〜ハイライトの側にあてがえることに気づきました。

シャドウ部をきちんと潰すことで、全体の印象におけるコントラストは確保できます。「豊かな中間調」と「画面のメリハリ」の両立を目指しているのではないかと思いました。 シャドウもハイライトも中間調も諦めきれず、すべての階調を確保しようとすると、画像全体が「眠く」なってしまいます。また、収録時にすべての領域で十分な階調を確保できたとしても、最終出力の際にどの領域(ハイライト・中間調・シャドウ)を重視するかは決めなければいけません。最終出力は8bitなのですから。

白とび・黒つぶれ

とはいうものの白とび・黒つぶれは避けたい、という気持ちは大事にしたいと考えています。

でも、一般的な動画の階調は8bitです。256階調です。やはり限界があります。HDRの時代はまだ来ていません。 「豊かな階調」を求めて、白とび・黒つぶれを避ける様なヒストグラムを目指すのではなく、8bit収録のエントリー機は欲張らず、中間調重視が良いのかもしれません。


……。とここまで書いた後で、log収録もどきの超眠い8bit画像をPhotoshopのCamera Rawフィルターを使ってgradeもどきの補正をしてみたら、結構いいところまで戻ってきますね。log収録・ローコントラスト収録は8bitでも役に立つのかな……。

PB250127

↑オリジナルの画像を、

PhotoshopのCamera Rawフィルターを使って低彩度・超軟調に。log収録風の画像を擬似的に作成。

log収録風

↑log収録風の画像を、

PhotoshopのCamera Rawフィルターを使って再び適正な階調・彩度に。擬似的なカラーグレーディング。

grading風

↑この手の画像(バランスの良い、特定の輝度域に階調が集中していない写真)であれば、オリジナルと遜色のない再現性があります。