coluli

安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

Pentax K-30(10年遅れの)ファーストインプレッション

PentaxのK-30を中古で買いました。K-30の発売は2012年なので、ちょうど10年前の機種です。

Pentaxデジタル一眼レフははじめてなので、なかなか新鮮です。使い始めてまだわずかですが、印象を書き留めておきます。

雅(MIYABI)

Pentax機を購入したのはカスタムイメージの「雅(MIYABI)」を使いたかったのが大きな理由です。巷(Pentax好き界隈)では割と評判がいいカスタムイメージなのですが、撮影枚数が少なすぎて、まだよくわかりません。

_IGP2388_カメラ内raw現像

先日簡単な測定をした結果、わりと「普通」の色調でした。色相のずらしなどわかりやすい「癖」はありません。緑の色相がやや黄緑寄り、青が濃い(暗い)などの特徴はありますが、Lightroomで現像したものとそんなに印象が変わりません。

「ほのか」「銀残し」なども気にはなりますが、まだ使ってみてはいません。

CTE

こちらも購入の動機です。CTE(Color Temperature Enhancement)という、他社にないホワイトバランスです。ニュートラルグレーに引っ張る通常のAWBとは逆に、画面内の色を強調する方向に色を「被らせる」不思議な設定です。

_IGP2281_Lr現像

近所の水辺の公園を歩いたので、撮った画面はどれも冷調(あるいはグリーン)に転んでいます。彩度は変化させないので、鮮やかにはなるわけではありませんが、画面がわずかに特定の色に染まります。これは自分では思いつかないし、手作業でやるとそれなりに手間がかかりそうです。Lightroomで現像してもなかなか出てこない色だと思います。すごく面白いです。

Pentaxのサイトや個人ブログでは、変に鮮やかな作例ばかりだったので身構えていたのですが、「ちょっとニュアンスが変わる」ぐらいの色被りなので、割と使いやすかったのも小さな驚きでした。

赤やオレンジに転んだ写真なども撮ってみたいです。

ファインシャープネス

これまた購入の動機です。Pentax機はとにかく独自機能が多いので、一通り経験してみたかったのです。

_IGP2389_カメラ内raw現像

ただ、CanonDIGIC 7以降、線の細いシャープネスを使えるようになったのでアドバンテージは今となってはあまりありません。ファインシャープネスは通常のデジカメの極太いシャープネスに比べると大変繊細ですが、かけすぎるとリンギングが発生するのはやはり不満です。Lightroomで半径0.5pxのシャープネスをかける方が好みです。

_IGP2386_カメラ内raw現像

その後「エクストラシャープネス」「ファインシャープネス2」というのも後継機・上位機に搭載されたようですが、Photoshop系の「半径・強さ・しきい値」「明瞭度」とどう異なるのかはよくわかりません *1

自動水平機能

これはノーマークの機能でしたが、すごく便利です。手持ちスナップでラフに撮ってもとりあえず水平を維持してくれます。raw現像時のトリミング前提なら後で回転させればいいのですが、撮って出しするならあった方が絶対よい。ちなみに、つい先日発売されたばかりのCanon EOS R7にも搭載されているそうです。

_IGP2390_カメラ内raw現像

ハイパー操作系

知らない人は知らないと思いますが、これも30年くらい前 *2 から使ってみたかった機能でした。ずっとハイパープログラムで撮影しています。

_IGP2384_カメラ内raw現像

ただ、購入した付属レンズが開放f3.5〜5.6の明るくないレンズなので、あまり使いどころがありませんでした。また、今どきは手ぶれ補正や高感度撮影が普通に使えるので、「絞りとシャッタースピードトレードオフする」といったシビアな状況は私には起こらないでしょう。通常のプログラムシフトや絞り優先AEで事足りてしまいます。

ハイパーマニュアルの方が役に立つかも。

乾電池対応

デジカメ毎に用意するバッテリーチャージャーにもほとほとうんざりしているので、これは役に立つかも! と思いましたが、一眼レフはびっくりするくらいバッテリーが持つので、充電の手間はミラーレスに比べ少ないのでした。

_IGP2387_カメラ内raw現像

カメラ内raw現像

雅やCTEはLightroomで再現できないので、撮影後の設定変更・再jpg化はカメラ内で行いました。「raw現像にだらだら時間をかけない!一期一会!」という気持ちと「あの設定にしておけば……」という気持ちを両立させるにはいい機能だと思います。

ちなみに、掲載の写真は、

  • レンズ補正:ON
  • カスタムイメージ:雅(MIYABI)
    • 彩度:+2
    • 色相:±0
    • キー:-1
    • コントラスト:±0
    • ファインシャープネス:-2
  • ホワイトバランス:CTE
  • シャドー補正:AUTO

で撮影後にカメラ内raw現像しています。なので厳密な意味での「撮って出し」とは異なります。

その他の機能

残念ながら今回購入したのは10年前のミドル機 *3 なので、

  • ローパスフィルターレス+ローパスセレクタ
  • エクストラシャープネス/ファインシャープネス2
  • カスタムイメージ「里び」 *4 「フラット」(つい最近発表された「夏天」も)

などなど *5 、その後搭載された変態機能を使うことはできません。が、それでも多機能すぎて当分使い倒すことはできなさそうです。


もうちょっと撮影を続けます。


*1:エクストラシャープネスでは「偽解像」が発生するそうです。試してみたいです。

*2:Z-1 Pの頃です

*3:当時の価格的にはエントリー機ですが、機能的にはミドル機です。

*4:現像ソフトで適用したところバンディングが発生したので、ちょっと使えないな、と思っています。嘘でした。Digital Camera Utility 5で、いくつかのカスタムイメージを再現できます。ただし、ファインシャープネスやCTEは使えないので、結局「Pentaxの画作り」にはなりません。

*5:「リアルレゾリューション」や「アストロレーサー」とかにはあまり興味ありません。また画素数も1600万画素で全く不満はありません。今回の機種について強いて不満を挙げると、rawが12bitなことくらいです。