coluli

安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

好みの階調/目指す階調 4

また、目標にしたい動画を見つけました。

映画「ダークナイト」の冒頭シーンです。

私の考える「フィルムっぽい感じ」がまさしくこれです *1

トーンを調べてみました。


ヒストグラムをキャプチャーするのは効率が悪いので、眺めて傾向を箇条書きにします。

  • 空(の階調)は飛んでいない。
  • 空が写っていないシーンで一番明るいのは204(/256)程度。
  • 大半の階調は、輝度10段階のうちの6段階程度の範囲(例:0-153)に収まっている。
  • 黒はほんのわずかに潰れている。
  • 最暗部の階調(最後の粘り)豊か。

また、「自動補正」した際の補正量で、絵作りの傾向がわかります。

  • 全体はややアンダー(約1/2EV)。
  • コントラストをわずかに柔らかくしている(約-5)。
  • が、シャドウをかなり締めている(約-50)ので高コントラストな印象。

  • ホワイトバランスはほぼニュートラル。

  • 輝度ごとの色相のずらしはあまりやってないっぽい *2

191212|追記 一応ヒストグラムを載せておきます。

00.10.08|路上に佇むジョーカーの後ろ姿 ↑ 屋外のシーンでは階調をフルに活用しています。黒がわずかに潰れています。

00.31.21|ビルを渡る二人 ↑204以下、153以下に収められた階調。

01.29.15|屋上の二人 ↑ 空以外は102以下に収められた階調。

02.46.09|銀行の中で首をかしげるジョーカー ↑ 大半の階調を102以下に収めつつ、明るい日差しは255まで利用。


*1:改めて調べてみたところ、ノーラン監督はフィルムで撮る人でした。特にこのシーンはブローニーのように大きいフィルムサイズのIMAX方式で撮影しているとのこと。

*2:Prime Videoで映画本編を観たら、ありがちな緑色に調色されていました。こちらのYouTubeは最終グレーディング前なのかもしれません。