FinePix F900EXRの動画性能を調べています。
マイクロフォーサーズのLumix DMC-GH1、1インチセンサーのRX100と比較*1してみました。
コンデジの中ではトップクラスのビットレートを持つF900EXRですが、あまり良い印象がありません。
シャープネス強すぎ。リンギング発生しまくり
F900EXRはシャープネスはかなり強めです。かつ「線の太い(シャープネス半径の大きい)」ものなので、FHDの解像感がありません。
明暗の境目に太いリンギング(輪郭強調線)が発生しています。手前の電線に「白ふち」がついています。
コントラスト強すぎ。シャドウ部つぶれ過ぎ
F900EXRのコントラストはかなり強めです。シャドウ部のほとんどがつぶれてしまいました*2。
「フルオート」では使いこなせない
F900EXRは動画撮影時にシャープネスやコントラストを調整することができません。かろうじて露出補正とホワイトバランスは調整可能ですが、「Provia(スタンダード)」「Astia(低コントラスト、低彩度)」「Velvia(高コントラスト、高彩度)」などのフィルムシミュレーションモードも利用できません。また、基本の感度が足りず、オリジナルの動画ではシャドウ部にノイズがざわざわと発生しています。
ぱっと見は変わらず。むしろ好印象?
……、とは言うものの、YouTubeに上げてしまうとその差は縮まり、また、テレビなどで観る分にはメリハリがあるのでむしろ好印象だったりします。もともとはファミリーユースのコンデジなので、これはこれで正しい仕様なのだとは思います。
いじり甲斐がなく、残念です。
*1:撮影時の各種設定
- オリジナルは60pのFHD動画です。GH1のみ24pで撮影しています。
- FinePix F900EXR:露出補正なし、コントラスト・シャープネスは自動(設定不可)動画ビットレートは36.7Mbpsです。
- DMC-GH1:露出補正-1/3、コントラスト-2、シャープネス標準、動画ビットレートは16.3Mbpsです。
- DSC-RX100:露出補正 -1/3、コントラスト-2、シャープネス-1、動画ビットレートは24.8Mbpsです。
- 音声は削除しています。
- ホワイトバランスは昼光。ただし、全体の色調はFinal Cut Proのマッチカラー機能で揃えています。
*2:試しにオリジナルの動画をAdobe Lightroomを使ってコントラストを目一杯下げてアップしてみましたが、シャドウ部の潰れは救済しきれませんでした。