以前、キヤノンのカメラでFujifilmの「クラシッククローム」の色調を再現するためのピクチャースタイルを作成しました。
ただ「クラシッククローム」にはあまり思い入れもなく、実はそもそも好みの色調ではありません(おいおい)。もう少しプライベートかつオリジナルな色調を求めて、今となっては誰も知らない、メーカーすら残っていないKONICAのデジカメ、KD-400Zの色調を模したピクチャースタイルを作成してみました。21世紀頭に私自身が愛用していた機種です。
400万画素の当時から平凡な機種でしたが、出てくる画像が割と好みでした。単に家族の写真をたくさん撮っていたからかも知れません。
内蔵電池は死んでいますが今でもきちんと使えます。キヤノン機(EOS M)と同条件でカラーチャートを撮影しました。青紫系に転ぶのは当時から割と好みでした。また、人肌が綺麗だった印象があります。単なる思い出補正かも知れません。
色相の転びにやはり癖があります。
当時のコンデジはどれも派手な発色でしたが、色相により彩度が異なるのが興味深いです。画面全体に青紫が被っているからなのか、黄色の彩度はむしろ低めです。
数値をPicture Style Editorに入力し、新しいピクチャースタイルを作成しました。前回は色相の転びのみでしたが、今回は彩度のばらつきも再現しています。
作例
近所を歩いて来ました。撮って出しは各種設定の追い込みが不十分なので、Canon Digital Photo Professionalで現像した画像を掲載しています。DPP上のraw現像時にも、今回作成したピクチャースタイルは使用できます。
↑ 撮って出しをチェックしていて、「あ、これこれ! この感じ。作ってよかったぁ」と思ったのですが、Lrで通常現像したものと比較しても、取り立てて特徴的な発色ではありませんでした。オリジナルのピクチャースタイルは「撮影のモチベーションをアゲる」以上の効果はないかもしれません。
↑ 赤の発色は明らかに異なります。Lrで通常現像したものと比べ、ややオレンジ色に転んでいます。
撮って出しはコントラストが強すぎた(コントラスト:+2)のでDPPの現像時は抑えましたが、KD-400Zに寄せたわけではありません。撮影後は自分の好みに近づけていきます。
↑ 測定通り撮って出しの黄色の彩度は低めですが、DPPでは全体の彩度をアップしました。Lrで通常現像したものと印象は近いです。
↑ 今回のカメラ、EOS Mは、最新のキヤノン機(DIGIC 7以降の機種)のような詳細なシャープネス設定ができませんので、撮って出しは解像がいまいちです。DPPでもLrで現像したものと同様、半径の小さいシャープネスを強めにかけています。
反省
220530|追記 しばらくしてから反省しました。今回は作業が雑すぎました。
- ホワイトバランスがあまりにも違いすぎますね。KD-400Zの青転びはホワイトバランスの調整で再現すべきで、色相の転び調整は、ホワイトバランスをニュートラルに整えた上で行うべきでした。
- 彩度の数値の差分をそのまま入力したのは間違いですね。Picture Style Editorの彩度パラメーターは-100から+100までの200です。Photoshopは0から100なので、入力するとしたら2倍の数値がよかったかも知れません。
- 色相ごとの明度の変化も調べてきちんと調整すべきですね。
今度時間のあるときにやり直します。
220604|追記 再度丁寧にテストしてみたところ、ホワイトバランスも色調も、キヤノン機との差は意外とわずかでした。キヤノンの「ナチュラル」を「昼光」で使うと、KD-400Zと割と似たような画が出てきます。カメラ独自の「癖」「個性」は見いだせそうになかったので、この試みは一旦中止とします。