coluli

安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

基本6色相のカラーシフト

前回のテストをX-Rite ColorChecker Passport Videoを利用してもう一度やってみました *1

X-Rite ColorCheckerの中にある基本の6色相は(顔料の精度が高ければ)60°刻み、緑スタートなら

120°, 180°, 240°, 300°, 0°, 60°

となっているはずです。

晴れた日のベランダで、カメラのホワイトバランスを「昼光」にして *2 撮影してみました。

撮影後、Photoshopに取り込み *3 、色相を調べて画面上にメモしました。

色相回転による色補正

個々の色相はそれなりにずれています。これがいわゆる「メーカーの絵作り」というやつでしょうか。

DC-GH5の発色、特に空の色は気に入っているのですが、青のチップをみるとやはり比較的正しい(235°|5°ずれ)ようです。一番ずれているのは赤のチップ(9°|9°ずれ)です。

E-M10 Mark IIIについては、(空色改善のために)7°ほど回転しました *4 。ずれが増えてしまった色相もありますが、全体としては改善しているようです。一番ずれの多い緑のチップのずれ18°(102°)が、ずれ12°(108°)まで減りました。


*1:カラーチャートとアプリを使ったカラーコレクションを始める前の素朴なテストです。

*2:E-M10 Mark IIIについては、いろいろ試して現在は[A+2, G-1]としています。

*3:動画撮影し、Premiereから画像を書き出しています。

*4:前回とホワイトバランス設定が異なるので、日和って7°回転としましたが、やはり10°ほど回転させても良かったようです。

DMC-G8、DC-G99の4K動画撮影時のクロップ量

カメラのレビューサイトの動画や画像を使って、Panasonic機の4K動画撮影時のクロップ量を調べてみました。

DMC-G8(DMC-G80 / DMC-G85)の場合

DMC-G7のクロップ量 *1 とほぼ同じ、誤差を考慮すると全く同じかもしれません。

DMC-G8の4Kクロップ量

海外のレビューサイトのサンプル動画をキャプチャーし、比率を調べてみた結果です。

4K動画のサンプル

FHD動画のサンプル

DC-G99(DC-90 / DC-95)の場合

ミドルレンジのPanasonic2000万画素モデルはどれも同じかもしれません。

DC-G99の4Kクロップ量(暫定)

国内のレビューサイトのサンプル画像を比較した結果です。記事内の画像はかなり縮小されていたので、上記の図は正確さに欠ける *2 と思われます。

買い物ガイド

DC-G99は4K動画撮影時のクロップ量がかなり大きいようです。動画目的であれば併売されるDMC-G8がよいと思います。また、DC-G99は「V-Log L」収録が可能となっていますが、個人的には8bitのlogはあまり使いたいと思いません。

価格のこなれた、G8を買いましょう。


190515|追記 結局ここ↓のサイトの情報が一番正確です。上記の機種に限らず、レビューされている機種であればクロップ量はほぼわかります。やはり1600万画素と2000万画素で2種類のクロップ量があるようです。

www.cameralabs.com

しつこいようですが、Pana機の4K収録は中央dot by dotではありません(GH4を除く)。


*1:

*2:4K収録時に使用するのはどちらも同じ、センサー中央の4130px × 2323px程度と思われます。高画素な分、G99のクロップ量が増えています。

X-Rite ColorChecker Passport Videoの購入

X-Rite ColorChecker Passport Videoの購入

X-Rite ColorChecker Passport Videoを購入しました。今後はこちらを使って動画のカラー管理を行なっていきたいと思います。先日購入したばかりなので、まだ全く使いこなせていません。

購入した後なのでいまさらですが、類似品は多数販売されています。

この手のカラーチャートに対応しているアプリは、DaVinci Resolve、(Final Cut Pro Xのプラグイン)Color Finale、3D LUT Creatorなどがあります。調べてみたところ、

DaVinci Resolveで使えるカラーチャート

  • Datacolor SpyderChecker 24
  • DSC Labs ChromaDuMonde 24+4
  • DSC Labs SMPTE OneShot
  • X-Rite ColorChecker Classic
  • X-Rite ColorChecker Video
  • X-Rite ColorChecker Pasport Video

Color Finaleで使えるカラーチャート

  • X-Rite ColorChecker Pasport Video

3D LUT Creatorで使えるカラーチャート

  • X-Rite ColorChecker
  • X-Rite ColorChecker (Nov 2014+)
  • X-Rite Pasport Photo (50)
  • X-Rite Pasport Video
  • X-Rite Digital SG
  • X-Rite Video
  • DSC Labs OneShot
  • DSC Labs CGH
  • DSC Labs ChromaDuMonde 24
  • DSC Labs ChromaDuMonde 28
  • Datacolor SpyderChecker 24
  • Datacolor SpyderChecker
  • QPCard202/203
  • IT8.7
  • IT8.7 with Checkerboard

でした。

なので、全てのアプリで使えるX-Rite ColorChecker Passport Videoを購入(Amazonで15,993円)したのは間違いではありませんでした。

手作業で補正を行う際も、基本の6色相がひとかたまりの1列になっているX-Rite ColorChecker VideoやX-Rite ColorChecker Pasport Videoの使い勝手はよいようです。

可搬性にこだわらなければX-Rite ColorChecker Videoの方が若干安い(14,692円)です。あるいは、Datacolor SpyderChecker 24ならば半額以下(Amazonで6,600円)で購入できます。ただし、Color Finaleは未対応です。


EOS Kiss MにMagic Lantern

EOS M50(EOS Kiss M)がHackされたそうです。

Canon M50 hacked, features 6K RAW and A.I driven menus - EOSHD

単にHackに成功した *1 だけで、Magic Lanternの配布が始まったわけではありません。配布されるかどうかもわかりません。でも、とても楽しみです。

今回HackされたのはDIGIC8 *2 なので、搭載機種のEOS Kiss X10、Powershot SX740 HSなどでもMagic Lanternを使えるようになるかもしれません。

経験上の助言としては、

  • 今すぐEOS Kiss Mを買え。
  • お金が工面できないなら、次のファームのアップデートまでに買え。
  • キヤノンのサポートページで配布している、ファームウェアは念のため保存しろ。
  • ファームは不具合がない限り、ギリギリまでアップデートしないでおけ。

です。


*1:記事公開日が4月1日なので、エイプリルフールのjokeだという話もあります。でした。がっかりです。

*2:既にリリースされているのは、EOS MなどのDIGIC5搭載機種をHackしたバージョンです。

ホワイトバランス/カラーバランス(の限界)

DC-GH5DMC-G7E-M10 Mark IIIの3台を並行してテスト撮影・設定調整しています。

それぞれに利点があり、1台に集約できないのが辛いところです。

その中で、E-M10 Mark IIIの設定だけがうまく追い込めずに困っています。画質は他機種に比べ1ランク落ちるものの、小型軽量で動画撮影時の手ぶれ補正が強力なので、なんとか活用したいと考えています。ですが、今ひとつ発色が気に入りません。

GH5やG7のホワイトバランスに合わせて色温度を調整しています *1 が、うまくいきません。

DC-GH5 カラーチャート DMC-G7 カラーチャート E-M10 Mark III カラーチャート

↑ カラーチャートベースだと、さほど不自然さは感じませんが、


DC-GH5 空 DMC-G7 空 E-M10 Mark III 空

↑ 空の色が全く揃いません。Panaの2機種の空の色相はどちらも216°、一方E-M10は206°です。10°ほど違います。


E-M10 Mark III 空 色温度調整 ↑ 空の色が合うように色温度を調整すると画面がマゼンダに染まってしまいます。手前に映り込んでいる物干し竿は、銀色のアルミ製です。

E-M10 Mark III 空 色相10°回転 ↑ 全体の色相を10°ほど回転させると比較的破綻なく落ち着きますが、

E-M10 Mark III カラーチャート 色相10°回転

Premiereの基本機能に色相の回転 *2 があるのかわかりません(上記のサンプルは、動画からの切り出し画像をPhotoshopで処理しています)。


グレーチャートや乳白アクリルを使った色温度の調整 *3 では、色相単位での制御ができません。カラーシフトや発色の偏りに対応するには別の方法を考える必要があります。

やはり専用のカラーチャートを購入してアプリで補正でしょうか。


190423|追記 

いろいろ確認して、この記事はほとんど意味がないことが判明しました。

E-M10の空の色味がおかしいのはそもそものホワイトバランス設定がまずかったからのようです。過去の作例の設定を確認すると、「オート(G-1)」では *4 普通の空の色でした。現状の設定値の「昼光(A+1, G-1)」を考え直す必要があります。補正後の数値ベースでの色温度はPana機と同じにできたと思っていたのですが……。


190429|再追記 

いろいろいじりましたが、やはりE-M10のホワイトバランスはかなり癖が強いです。色相を10°を回転させるのが一番手軽で確実なようです。


*1:どれもホワイトバランスは「昼光」です。E-M10のみ(A+1, G-1)の補正をかけています。

*2:ありました。[エフェクト]→[カラー補正]→[カラーバランス(HLS)]で操作できました。

*3:

*4:「オート」は制御しづらいので「昼光」ベースで再検討が必要です。

カラープロファイルの対応状況

ちょっと気になること *1 があったので、簡単な検証。

raw撮影した写真 *2を、sRGBAdobeRGBDiaplay P3ProPhoto RGBで書き出しました。Lightroomにデフォルトで用意されているカラープロファイルです。


カラープロファイルに対応したアプリ、例えばSafariでは、適切に補正されてどれも同じ色調で表示されます(下の写真)。

Safariによる表示

sRGB / AdobeRGB
Diaplay P3 / ProPhoto RGB


カラープロファイルに対応していない古いアプリ、例えばQuickTime Player 7では、プロファイルが無視されてしまい、色調が崩れます *3 (下の写真)。

QuickTime Player 7による表示

sRGB / AdobeRGB
Diaplay P3 / ProPhoto RGB

色域の広いプロファイルほど、枯れた色調で表示されています *4

ここまでは想定内です。


上記4種の画像をPremiereに読み込ませてみました。

プロファイルごとに色調が異なります *5

Premiereはプロファイルによるカラーマネジメントには対応していないアプリ *6 ということになります。

本当でしょうか。最新のAdobe製品なのに。詳しい方がいたらコメントください。


*1:日を改めて検証予定です。

*2:sRGBとAdobeRGBでは、緑の色域に大きな違いがあるので、そのようなモチーフを多めに選んでみました。また、現像時は彩度高めで処理しています。

*3:かえるくん達よりも手前の電卓、奥の濃い緑色の懐中電灯(なのです)に着目するとわかりやすいと思います。

*4:一番本来の表示に近いのは、Diaplay P3のようです。キャプチャーをとったMacの画面のプロファイルに依存しているのでしょうか。

*5:見た目の印象では、(プロファイルを無視された)sRGBの画像が補正後の各画像の色調に近いようです。

*6:例えば、AfterEffectsはカラーマネジメント可能です。

プアマンズPeak Design

カメラストラップは100円ショップで売っているストラップ付きの名札を切り貼りしてDIYしたものを使っています。

つけ外しが簡単なので、m4/3のカメラもこのストラップを使っています。プアマンズ「Peak Designストラップ」です *1


ただ、コンデジであれば問題ないのですが、カメラが重いと強度に不安があります。

補強しました。

DSCN1569

瞬間接着剤で結び目を固めただけですが、これでだいぶ違うと思います。


DC-GH5などの重いカメラをつけると細いストラップでは首にずっしりと食い込みます。かといって幅広のストラップもあまり好きではありません。

ホームセンターの島忠で購入したスポンジのパイプをはめてみました。

DSCN1572

貧乏くさい見た目ですが、だいぶ楽になりました。


*1:私のは「プアマンズ(貧乏人の)」Peak Designです。「パチモン」Peak Designなら、中華通販サイトにけっこうあります。