coluli

安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

DC-GH5|輝度レベルの設定

一番最初にこのテストをするべきでした。「フルレンジなら階調が広いはず」といったイメージにとらわれ、遠回りをしてしまいました。

DC-GH5の3種類([0-1023]・[64-1023]・[64-940])の輝度レベル設定を比較しました。

  • マスターペデスタルは[ 0 ]です。
  • iDレンジコントロールは[ Auto ]です。

DC-GH5|輝度レベル設定

↑ 輝度レベル[0-1023]ではシャドウ部がつぶれています。ここまでつぶれると編集時に直すこともできません。

DC-GH5|輝度レベル設定

↑ 輝度レベル[64-1023]ではシャドウ部のつぶれはほとんどありませんでした。マスターペデスタルの調整などで黒つぶれを完全になくすこともできそうです。

DC-GH5|輝度レベル設定

↑ 輝度レベル[64-940]ではハイライト側にも余裕が出てきました。


今後は64からの輝度レベルをデフォルト *1 にして引き続きテストを続けようと思います。


*1:輝度レベル設定は6K Photoモードでは利用できません。6K Photoモードの動画撮影では別の方法で階調を整える必要があります。

片手で使いやすいスマートフォン

◉言及している「iPhone SE」とは、iPhone 5をベースにしたモデルのことです。

iPhone SEが販売終了となったことで、「小さいスマホの使いやすさ」に対する議論が少しだけ盛り上がっていたようです。一方、「でかいスマホの使いづらさ」については、意外と正しく認識されていないような気がします。

以前、初めて大きめのスマホを購入して、もやもやした経験があるので、改めてメモっておきます。

まずはこちら↓をご覧ください。

iPhone一筋かつ、Plusに行かなかった人は、でかいスマホの使いづらさを痛感していない。

4インチ(SE)〜4.7インチ(一桁iPhone)は使いやすい、あるいは「使いづらくない」サイズなので、iPhone一筋の人は「でかいスマホは使いづらい」という経験があまりないような気がします。

一方(5.5インチ+太枠の)Plusを購入した人は、はじめから片手で使うことを想定していないはずなので、それなりに覚悟があったのだろう、と想像します。

Androidからスタートした人は、小さいスマホの使いやすさを体験したことがない。

大半の人は5インチ(使いづらくなり始めるサイズ)からスタート *1 しているので、「スマホってこんなもんなのかな」という意識のまま画面の大型化に流されているような気がします。

使いやすさ/使いづらさの閾値

4.6〜4.7インチを超えると途端に使いづらくなるような気がしています。その意味では、iPhone X(Xs)は使いづらいサイズ、「片手で使うと微妙にストレスの溜まるサイズ」だと思っています。ケースをつけるとさらに使いづらくなります。

使いやすさの判別方法

最近は16:9よりも縦長の画面が増えたので、インチサイズではうまく説明できません。また、画面サイズのみならず、狭枠か/太枠か、ケースは使うのか/裸で使うのか、など他にもいろいろ条件があります。それ以前にそもそも手のサイズは個人個人で異なります。

ですが、結局「幅」「厚さ」「角の丸み」、要はボディの外周寸法が「落としにくさ」に直結しており、そのまま使いやすさに影響しているようです。画面の上端・下端に指が届くか否かは二次的な条件だと考えます。

なので、わかりやすい判別方法としては、

DSCN1489

スマホを片手で持ち、親指の先と中指の先を触れ合わせてみる

その時、「らくらく指が触れる」なら使いやすく、「かろうじて触れられた」ならかろうじて使える、「全然届かない」なら片手では使えない、だと思います。ちなみに上の写真はかなり無理をして指を触れ合わせています。

オススメのスマホ

いくつか調べましたが、高画素(2960*1440)にもかかわらず狭幅かつエッジの薄いGalaxy S8あたりはかなりいいと思います *2 。香港経由で5万円くらいで買えます。一方、現行のGalaxy S9はやや幅が広がり、やや重くなりました。わずかなのでまだ許容範囲ですが、やはり旧モデルのS8の方がオススメです。

181011|追記 Googleから出たPixel 3の横幅(68.2mm)はS8とほぼ同寸です。一応「使いやすいサイズ」側に含まれそうです。

余談

最近利き腕がものすごく凝る痺れるようになりました。通勤時に片手でスマホを使っているせいだと考えています。日常、たくさん使うならスマホは片手で持たず、両手で持った方がいいと思います。

*1:以前のXperia Conpactは、4.6インチなので、「使いづらくないサイズ」です。さらに小さいXperia rayなどを経験している人は、すでにかなりの古参だと思います。

*2:その後、入手しました。思ったより使いやすくありませんでした。

DC-GH5|コントラストとハイライト・シャドウ

DC-GH5のふたつの設定、「コントラスト」と「ハイライト・シャドウ」の挙動、その組み合わせについて検証してみました *1


わかったこと

  • コントラスト」の挙動と「ハイライト・シャドウ」の挙動は異なります。
  • コントラスト」の数値を下げるとコントラストが下がります(これは当たり前)。
  • コントラスト」の数値を変えても白レベル・黒レベルの変化は少ないです。白飛び・黒つぶれを抑制する効果はあまりありません。
  • 「ハイライト・シャドウ」の数値を変更して逆S字型のトーンカーブにすると、コントラストが下がります。
  • 「ハイライト・シャドウ」の数値の変更はハイライト部やシャドウ部のみならず、白レベル・黒レベルにも影響します。白飛び・黒つぶれを抑制する効果があります。

コントラスト」の挙動

0_0_0

0_0_1

0_0_2

0_0_3

0_0_4

0_0_5

  • 設定値を変更しても、白レベル(ハイエストライト)・黒レベル(ローエストシャドウ)はあまり影響を受けません。

「ハイライト・シャドウ」の挙動

0_0_0

1_1_0

2_2_0

3_3_0

4_4_0

5_5_0

  • 設定値を変更するにつれ、白飛び・黒つぶれが減っていきます。
  • [ハイライト:-3 シャドウ:+3]がかなり実用性が高そうです。見た目の印象と後処理のマージンのバランスでは[ハイライト:-2 シャドウ:+2]が全撮影の中で一番良さそうです。

コントラスト」と「ハイライト・シャドウ」の併用

5_5_3

  • 白飛び・黒つぶれを抑えつつ、眠くならないようコントラストを上げる、といったこともできます。
  • コントラスト:+5][ハイライト:-5 シャドウ:+5]といった極端な値では、やはり不自然な見えになるようです。

実際には、曇り空(雨天)で順光、という条件ならばCinelike Dのデフォルト値でも実用上は十分でしたが最も見た目の印象に近いものでした。晴れた日の屋外、輝度差の大きい環境でも改めて検証する必要があります。


用語の定義についてはこちらの記事も併せてご覧ください。

181002|追記

翌日、改めてテスト撮影を行いました。

  • 前回オフにしていた、iDレンジコントロールを[ Auto ]にして、黒つぶれ防止を狙っています。
  • 前回は雨天でしたが、今回は明るい曇天です。輝度差が増しています。
  • 数値の組み合わせを微妙にしました。

さらにわかったこと

  • 白飛び・黒つぶれはともかく、見た目の印象が最も近いのはやはり、デフォルトのCinelike Dでした。
  • ただし、評価測光による自動露出でやや暗くなっています。実際はもっと明るい印象でした。
  • 前回の撮影と天候が変わった途端、今回は大きく白飛びを起こしています。汎用性のある設定値を見つけるのはなかなか難しいようです。

Premiere CCによる後処理。

a_1_1_1_p_1_40

  • 白飛びを抑えるべく、Premiere CCで[ 白レベル ]を操作してみたところ、隠れていた階調が出てきました。ハイエストライトは飽和していませんでした。すなわち、6K Photoモードでの10bit動画は、輝度レベル[ 0-1023 ]ではなく[ 64-1023 ]あるいは[ 64-940 ]で収録されていることになります。
  • Premiere CCによる後処理を前提にすれば、多少の白飛び・黒つぶれは回避できそうです。


*1:

  • 6K Photoモードで撮影しているので、マスターペデスタルの設定値は設定できません。デフォルト値と思われます。
  • 彩度はデフォルト値の±0です。

DC-GH5|Photo Styleの検証課題

DC-GH5のPhoto Style検証ですが、思ったより設定項目・パラメータが多く戸惑っています。

最適な設定を見つけるべく検証予定の、Photo Styleの5種類のカスタム方法について、今後の展望をメモっておきます。

「撮って出し」前提

01|Cinelike Dをベースにした設定

  • 旧来(DMC-GH2時代)の、アマチュア映像作家が試行錯誤していた方式です。
  • 細かなパラメータの最適化については既に様々なblogで言及されています。
  • 単なる過去の焼き直しではなく、より解像感の高い「6K Photo *1」を使用できるのがメリットです。
  • ほかの人があまり使わない、「iDレンジコントロール」を併用する *2アドバンテージもあると考えています。
  • ベースのStyleは必ずしも「Cinelike D」である必要はありません。「Natural」や「Cinelike V」でも構いません(ですが、きりがありません)。

02|Like709をベースにした設定(未着手)

  • 「ニー」の設定を利用して、ハイライトを適切に丸め、白飛びの少ない映像を得たいと考えています。
  • CineLike Dよりもより軟調な素材として、(若干の)後処理を前提とした利用方法を考えています。

03|Hybrid Log Gammaをベースにした設定 01

  • HDR(High Dynamic Range)映像のためのPhoto Style、「Hybrid Log Gamma」を使った、SDR(Standard Dynamic Range)映像です。
  • HLG をPQ(Perceptual Quantization)のガンマとして捉えると、 は、ハイライト側の階調にめっちゃ余裕があるので、露出オーバーで撮影すると、いい感じにハイライトの階調に余裕がありつつ、白飛びの少ない絵が作れそうです *3

LUTをあてがう前提

04|V-Logをベースにした設定(未着手)

  • いわゆる、世の中の人たちがやっている方式です。
  • アップグレードキーはまだ購入していません。
  • DC-GH5からは10bitになって階調の破綻は減りましたが、log収録はやはりハイライト部の劣化(バンディングの発生)などが気になります。8bitは論外としても、10bitでも足りないのではないか *4、と考えており、着手をためらっています。
  • 中途半端に「プロ指向」なのも本意ではありません。また、もうすぐraw収録の時代 *5が来るのがわかっているので、やや今更感があります。アマチュアならではのアプローチは重視したいので、しばらくは手を出さないつもりです(追加料金もかかるし)。

05|Hybrid Log Gammaをベースにした設定 02(未着手)

  • Hybrid Log Gammaで収録した映像にLUTをあてがうことで、 PQ SDRとして最適な階調を得られるようです。
  • HLG用のLUTが配布されています *6

このメモは自身の現時点での技術の理解度を示すものでもあります。詳しい方、あるいは将来の自分自身がみたら鼻で笑ってしまうものかもしれません。

181018|追記 さっそく間違いに気づきました。PQはHDRのガンマ形式のひとつのようでした。修正しました。


*1:

*2:

*3:   

*4:

*5:

*6:

サブピクセルレンダリングの終わり

こちらの記事によると、最新のOSX Mojaveでは、サブピクセルレンダリングの機能がシステムレベルで削除されたようです。

applech2.com

iPad(2010年発売)のように画面を回転させて使うデバイスと、サブピクセルレンダリングの技術は親和性が低いので、しかたありません。むしろ、8年近くかけて徐々にフェードアウトさせたAppleを評価すべき、とも思います。

さようなら、サブピクセルレンダリング


カテゴリー「サブピクセルレンダリング」も併せてご覧ください。


(190117|追記)

サムスン有機ELなど)最新スマートフォンのディスプレイのサブピクセルは、「RGBストライプ」ではなく、「ダイヤモンドペンタイル配列」が採用されているそうです。これだと旧来のサブピクセルレンダリングを使うことはできないですね。

こちらの記事も面白い。ペンタイル方式の多画素パネルの実質的な解像度は高くない、という指摘です。

こちらの記事によると、iPhone Xのディスプレイは色によって解像力に差があるとのこと。

DC-GH5|拡張感度ISO100

細かな設定の変更でなんとかハイライトの飛びを抑える方法はないかな、といろいろテスト撮影している途中で気づきました。

拡張感度のISO100では、ハイライトは完全に飽和してしまう。

のでした。

画面上部中央の空に着目すると、拡張感度のISO100では本来の青空が完全に白く飛んでいました。飽和してしまった後はiDレンジコントロールでもPremiere CCでの編集時に白レベルを下げても階調は戻ってきません。

よくよく考えれば、基準感度以下、あくまでも見かけ上の「低感度」でセンサーに適正露光以上の光をあてるのですから、飽和するのも当然です。「拡張感度」はあくまでも緊急避難的な設定だと改めて理解しました。

前回のテストでの不自然なまでのコントラストの高さは、一部のPhoto Styleで拡張感度ISO100を使用していたことも原因のひとつだったようです。


そもそもセンサーの飽和について、以前検証したことがあるのをを忘れていました。


ちなみに、今回のテスト撮影ではどの感度の場合もiDレンジコントロールによる白飛び回避は確認できませんでした。また、これまでに行った別の機種(DMC-G7)でのテストでも、白飛び抑制効果は確認できていません。iDレンジコントロールはあくまでも、シャドウ部のゲインアップによる黒つぶれ回避のみを行うようです。

DC-GH5|マスターペデスタルの設定

マスターペデスタル(黒基準)の挙動について、設定値を変更しながらテスト撮影を行いました。


Cinelike V/Master pedestal: 0

↑ マスターペデスタルの設定値は[ 0 ]です。コントラストの高いPhoto Styleの[ CineLike V ]では、シャドウ部がかなり潰れてしまっています。

Cinelike V/Master pedestal: 15

↑ マスターペデスタルを最大値の[ +15 ]にすることで、シャドウ部のつぶれが大幅に緩和されました。(上げすぎによる)黒浮きも特に感じません。

Cinelike V/i.Dynamic: HIGH/Master pedestal: 15

↑ さらにiDレンジコントロール([ 強 ])を併用することで、シャドウ部のつぶれがさらに緩和されました。


Cinelike V / Master pedestal: 0

↑ [ マスターペデスタル:0 ]暗部は完全に潰れてしまっています(画面下部の白い線)。

Cinelike V / Master pedestal: 15

↑ [ マスターペデスタル:15 ]暗部の階調が戻ってきました。

Cinelike V / i.Dynamic: HIGH / Master pedestal: 15

↑ [ マスターペデスタル:15 ]+[ iDレンジコントロール:強 ]黒つぶれは残っていますが、暗部の階調はかなり出てきています。


Photo Styleの種類、撮影場所(屋外/屋内)の輝度域により、設定すべき数値は異なりますが、マスターペデスタルの数値の調整は黒つぶれの回避にとても役に立ちそうです。


190115|追記 その後、輝度レベル[ 64-940 ]との組み合わせで、白飛び・黒つぶれの少ない値を見つけました。