coluli

安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

サブピクセルレンダリングの終わり

こちらの記事によると、最新のOSX Mojaveでは、サブピクセルレンダリングの機能がシステムレベルで削除されたようです。

applech2.com

iPad(2010年発売)のように画面を回転させて使うデバイスと、サブピクセルレンダリングの技術は親和性が低いので、しかたありません。むしろ、8年近くかけて徐々にフェードアウトさせたAppleを評価すべき、とも思います。

さようなら、サブピクセルレンダリング


カテゴリー「サブピクセルレンダリング」も併せてご覧ください。


(190117|追記)

サムスン有機ELなど)最新スマートフォンのディスプレイのサブピクセルは、「RGBストライプ」ではなく、「ダイヤモンドペンタイル配列」が採用されているそうです。これだと旧来のサブピクセルレンダリングを使うことはできないですね。

こちらの記事も面白い。ペンタイル方式の多画素パネルの実質的な解像度は高くない、という指摘です。

こちらの記事によると、iPhone Xのディスプレイは色によって解像力に差があるとのこと。

DC-GH5|拡張感度ISO100

細かな設定の変更でなんとかハイライトの飛びを抑える方法はないかな、といろいろテスト撮影している途中で気づきました。

拡張感度のISO100では、ハイライトは完全に飽和してしまう。

のでした。

画面上部中央の空に着目すると、拡張感度のISO100では本来の青空が完全に白く飛んでいました。飽和してしまった後はiDレンジコントロールでもPremiere CCでの編集時に白レベルを下げても階調は戻ってきません。

よくよく考えれば、基準感度以下、あくまでも見かけ上の「低感度」でセンサーに適正露光以上の光をあてるのですから、飽和するのも当然です。「拡張感度」はあくまでも緊急避難的な設定だと改めて理解しました。

前回のテストでの不自然なまでのコントラストの高さは、一部のPhoto Styleで拡張感度ISO100を使用していたことも原因のひとつだったようです。


そもそもセンサーの飽和について、以前検証したことがあるのをを忘れていました。


ちなみに、今回のテスト撮影ではどの感度の場合もiDレンジコントロールによる白飛び回避は確認できませんでした。また、これまでに行った別の機種(DMC-G7)でのテストでも、白飛び抑制効果は確認できていません。iDレンジコントロールはあくまでも、シャドウ部のゲインアップによる黒つぶれ回避のみを行うようです。

DC-GH5|マスターペデスタルの設定

マスターペデスタル(黒基準)の挙動について、設定値を変更しながらテスト撮影を行いました。


Cinelike V/Master pedestal: 0

↑ マスターペデスタルの設定値は[ 0 ]です。コントラストの高いPhoto Styleの[ CineLike V ]では、シャドウ部がかなり潰れてしまっています。

Cinelike V/Master pedestal: 15

↑ マスターペデスタルを最大値の[ +15 ]にすることで、シャドウ部のつぶれが大幅に緩和されました。(上げすぎによる)黒浮きも特に感じません。

Cinelike V/i.Dynamic: HIGH/Master pedestal: 15

↑ さらにiDレンジコントロール([ 強 ])を併用することで、シャドウ部のつぶれがさらに緩和されました。


Cinelike V / Master pedestal: 0

↑ [ マスターペデスタル:0 ]暗部は完全に潰れてしまっています(画面下部の白い線)。

Cinelike V / Master pedestal: 15

↑ [ マスターペデスタル:15 ]暗部の階調が戻ってきました。

Cinelike V / i.Dynamic: HIGH / Master pedestal: 15

↑ [ マスターペデスタル:15 ]+[ iDレンジコントロール:強 ]黒つぶれは残っていますが、暗部の階調はかなり出てきています。


Photo Styleの種類、撮影場所(屋外/屋内)の輝度域により、設定すべき数値は異なりますが、マスターペデスタルの数値の調整は黒つぶれの回避にとても役に立ちそうです。


190115|追記 その後、輝度レベル[ 64-940 ]との組み合わせで、白飛び・黒つぶれの少ない値を見つけました。

DC-GH5|Photo Styleの検証 01

DC-GH5の最適な設定を探っています。近所の公園でテスト撮影を行い、各Photo Styleを比較してみました。

比較的デフォルトのまま

ほぼデフォルトの状態で、Photo Styleの[ Standard ][ Vivid ][ Natural ][ Scenery(風景) ][ Portrait ][ Cinelike D ][ Cinelike V ][ Like709 ][ Hybrid Log Gamma *1 ]を比較しました。編集時に階調はいじっていません。「撮って出し」の状態です。

主な設定

  • より解像感の高い6K Photo(S/S)で撮影したかったのですが、Hybrid Log Gammaを選択できないため、Anamorphic 6K(高解像アナモフィックモード)で撮影し、4Kサイズに縮小・クロップしています。
  • 拡張感度のISO100 *2 で撮影しました。拡張感度を使用できない[ Like709 ]はISO200、[ Hybrid Log Gamma ]はISO400で撮影しました。
  • マスターペデスタル(黒基準)は[ ±0 ]です。
  • 輝度レベル設定は[ 0-1023 ]です。10bitとなります。
  • 彩度は一律[- 2]で撮影しています。DMC-G7を使ったテスト撮影を参考にしました。
  • [ Like709 ]のニー設定はデフォルト([ Auto ])です。

所感

  • EM-10 Mark IIIのテスト撮影時に経験していたのである程度は想定内でしたが、今回もかなりコントラストの高いものになってしまいました。
  • 全体の露出は合っていますが、最暗部は全設定で潰れてしまっています。
  • 大半のシーンで白飛びが発生しています。唯一、[ Hybrid Log Gamma ]のみが、白飛びを回避できています。

iDレンジコントロールで暗部の救済

iDレンジコントロール(i.Dynamic)を[ 強 ]にして、白飛び・黒つぶれの回避を試してみました。Olympus機の「階調:オート」に相当する機能です。

◎[ Like709 ][ Hybrid Log Gamma ]には、iDレンジコントロールは適用できません。比較のため並べています。

所感

  • 白飛び・黒つぶれは大幅に緩和されましたが、まだ残っています。

露出補正

撮影時に105%を超える輝度を示すゼブラパターンが出ていたので、-1EVの露出補正をかけました。

◎[ Hybrid Log Gamma ]では当初から白飛びしていませんでしたが、一律下げています。

所感

  • 空の階調はよく出るようになりました。その分、シャドウ部が潰れまくっています。
  • -1EVだけでは白飛びを完全に回避することはできませんでした。

今後について

輝度差の大きい状況でもなんとか白飛び・黒つぶれを回避したいと思います。他にやれることとしては、

  • 各Photo Styleのコントラスト設定を下げる。現状はデフォルトの[ ±0 ]。
  • ハイライト側に余裕があり、黒つぶれが発生している[ Hybrid Log Gamma ]を明るく露出補正して利用する。
  • マスターペデスタルの数値を変更してみる。
  • 輝度レベル設定を変更してみる。
  • 輝度内に収めることをあきらめ、露出補正でハイライト側・シャドウ側のいずれかを救済する。

などでしょうか。

おまけ

その場のアドリブで設定を変更したカットを載せておきます。

  • 一番軟調の[ Cinelike D ]を使い、
  • さらにコントラストを最小値の[ -5 ]にして
  • ゼブラパターンが消えるよう1.33EVアンダーに補正

しています。

全体の印象は暗く、黒つぶれも発生していますが、ハイライト〜中間調はだいぶ豊かになりました。いろいろ追い込めばなんとかなる気がしています。


*1:Hybrid Log Gammaの本来の利用方法とは異なりますが、「擬似log収録」として加えています。

*2:180923|追記 拡張感度を使用したのは間違いでした。別のテスト撮影時に気づきました。

DC-GH5|4K/6K Photo動画はより解像する

先日、DC-GH5はAnamorphicモードや6K Photoモードを使って6K動画を撮影できる、という記事を書きました。

その際に、6K Photoを使った動画は特に解像感が高いことに気づきました。

気になったので、4K60pでも同種のテスト撮影をしてみました。

通常の4K60p動画と、60fpsの4K Photo(4KH8M) を同条件で撮影しています。わずかな差ですが、やはり4K Photo動画の方がよく解像しています。

190530|追記 小さく表示させて閲覧すると、4K Photo動画に切り替わった瞬間、シャッキリすると同時に建物の壁面(タイル)にモアレが発生しますね。

拡大画面

タイルの目地の溶け具合に着目するとわかります。シャープネスの強弱以上の差を感じます。


特にデメリット *1 *2 *3 もなさそうなので、しばらくはこちらの4K/6K Photoモードでの動画をメインに利用してみようと思います。


ちなみに、気になったので別の機種、DMC-G7の4K動画と4K Photo動画の解像感も比較してみましたが……

こちらは有意な差を見出せませんでした。


*1:180923|追記 6K Photo動画ではPhoto Style「Hybrid Log Gamma」が使えませんでした。残念。

*2:180924|追記  6K Photo動画ではマスターペデスタルの数値を調整できませんでした。残念。

*3:181019|追記 6K Photo動画では輝度レベルの設定を変更できませんでした。残念。

「超解像」の動画での挙動

Lumixのカメラにはどれも、「超解像(i.Resolution)」という機能があるのですが、どのような働きをするのかよくわかっていませんでした。

DC-GH5の6K Photo(3:2)の6K動画モード*1 で、テスト撮影をしてみました。

どうでしょう。

微妙ですが確かにシャープ感は増しているようです。[強]に設定してもリンギングの発生はごく僅か。繊細で、わりと好印象です。

普段、各フォトスタイルのシャープネス設定は最小値の[-5]にしていますが、そちらの相殺分も含め、しばらく[強]で使用してみようと思います。


DC-GH5で6K動画(ほんとは5Kぐらい)

DC-GH5はもともと動画に強いミラーレスカメラですが、いつの間にか6K動画 *1 が撮れるようになっていました。

GH5各種動画サイズ

4K(3840×2160)、C4K(4096×2160)の他に、

  • 高解像アナモフィックモードによる6K動画(4992×3744)
  • 6K Photo(S/Sモード)による6K動画(5184×3456|もちろん音声付き)

を10bit *2 の30pで撮影可能です。

これらを16:9の4K動画の素材として利用すると、

  • 解像力の高い、解像感の高い、
  • 微妙な角度補正・多少のトリミングによる構図調整の余裕もある、
  • ソフトウェアスタビライズしても(拡大で)粗くならない、

非常に高品質なものを便利に作れそうです。

比較撮影をしてみました。

各モードでの動画を4K動画サイズのシーケンスに配置しました。それぞれ同じ幅(3840px)になるよう縮小し、上下はクロップしています。

非常に解像感の高い動画になりました。


解像感を比較すると、

6K Photo > Anamorphic > 4K

の順でした。


アナモフィック動画(4992px)と6K Photo動画(5184px)の横幅はほとんど同じなのですが、明らかに6K Photo動画の方が解像感が高いようです。理由は不明です。もしかすると、6K Photoのみ、センサー全画素読み出しなのかもしれません。

設定していた[超解像(i.Resolution):強]が影響しているかもしれないので、検証したところ

180909|追記 超解像は関係ありませんでした。

180911|追記 ビットレートを比較してみたところ、

  • 4K:150Mbps
  • Anamorphic 6K:193Mbps
  • 6K Photo:191Mbps

でした。6K Photoのビットレートだけが特に高い、ということでもないようです。


通常の4K動画に比べ、残りの二つはコントラストがやや高いようです。理由は不明ですが、設定していた[iDレンジコントロール(i.Dynamic):強]が影響しているかもしれません。要検証です。

180909|追記 iDレンジコントロールは関係ありませんでした。単なる日差しの変化のようです。


190530|追記 「6KPhoto動画は電子手ぶれ補正を使えない/使わないからシャープなのでは?」と、気になったのでアナモフィック動画の電子手ぶれ補正オン・オフ2種とも比較してみました。やはり6K Photo動画のみが頭一つシャープです。


*1:横幅基準だと5K動画相当になります。

*2:ただし4:2:2ではなく、4:2:0です。