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安物のカメラ機材を使ったテスト撮影ばかりしています。

DC-GH5|Photo Styleの検証 01

DC-GH5の最適な設定を探っています。近所の公園でテスト撮影を行い、各Photo Styleを比較してみました。

比較的デフォルトのまま

ほぼデフォルトの状態で、Photo Styleの[ Standard ][ Vivid ][ Natural ][ Scenery(風景) ][ Portrait ][ Cinelike D ][ Cinelike V ][ Like709 ][ Hybrid Log Gamma *1 ]を比較しました。編集時に階調はいじっていません。「撮って出し」の状態です。

主な設定

  • より解像感の高い6K Photo(S/S)で撮影したかったのですが、Hybrid Log Gammaを選択できないため、Anamorphic 6K(高解像アナモフィックモード)で撮影し、4Kサイズに縮小・クロップしています。
  • 拡張感度のISO100 *2 で撮影しました。拡張感度を使用できない[ Like709 ]はISO200、[ Hybrid Log Gamma ]はISO400で撮影しました。
  • マスターペデスタル(黒基準)は[ ±0 ]です。
  • 輝度レベル設定は[ 0-1023 ]です。10bitとなります。
  • 彩度は一律[- 2]で撮影しています。DMC-G7を使ったテスト撮影を参考にしました。
  • [ Like709 ]のニー設定はデフォルト([ Auto ])です。

所感

  • EM-10 Mark IIIのテスト撮影時に経験していたのである程度は想定内でしたが、今回もかなりコントラストの高いものになってしまいました。
  • 全体の露出は合っていますが、最暗部は全設定で潰れてしまっています。
  • 大半のシーンで白飛びが発生しています。唯一、[ Hybrid Log Gamma ]のみが、白飛びを回避できています。

iDレンジコントロールで暗部の救済

iDレンジコントロール(i.Dynamic)を[ 強 ]にして、白飛び・黒つぶれの回避を試してみました。Olympus機の「階調:オート」に相当する機能です。

◎[ Like709 ][ Hybrid Log Gamma ]には、iDレンジコントロールは適用できません。比較のため並べています。

所感

  • 白飛び・黒つぶれは大幅に緩和されましたが、まだ残っています。

露出補正

撮影時に105%を超える輝度を示すゼブラパターンが出ていたので、-1EVの露出補正をかけました。

◎[ Hybrid Log Gamma ]では当初から白飛びしていませんでしたが、一律下げています。

所感

  • 空の階調はよく出るようになりました。その分、シャドウ部が潰れまくっています。
  • -1EVだけでは白飛びを完全に回避することはできませんでした。

今後について

輝度差の大きい状況でもなんとか白飛び・黒つぶれを回避したいと思います。他にやれることとしては、

  • 各Photo Styleのコントラスト設定を下げる。現状はデフォルトの[ ±0 ]。
  • ハイライト側に余裕があり、黒つぶれが発生している[ Hybrid Log Gamma ]を明るく露出補正して利用する。
  • マスターペデスタルの数値を変更してみる。
  • 輝度レベル設定を変更してみる。
  • 輝度内に収めることをあきらめ、露出補正でハイライト側・シャドウ側のいずれかを救済する。

などでしょうか。

おまけ

その場のアドリブで設定を変更したカットを載せておきます。

  • 一番軟調の[ Cinelike D ]を使い、
  • さらにコントラストを最小値の[ -5 ]にして
  • ゼブラパターンが消えるよう1.33EVアンダーに補正

しています。

全体の印象は暗く、黒つぶれも発生していますが、ハイライト〜中間調はだいぶ豊かになりました。いろいろ追い込めばなんとかなる気がしています。


*1:Hybrid Log Gammaの本来の利用方法とは異なりますが、「擬似log収録」として加えています。

*2:180923|追記 拡張感度を使用したのは間違いでした。別のテスト撮影時に気づきました。

DC-GH5|4K/6K Photo動画はより解像する

先日、DC-GH5はAnamorphicモードや6K Photoモードを使って6K動画を撮影できる、という記事を書きました。

その際に、6K Photoを使った動画は特に解像感が高いことに気づきました。

気になったので、4K60pでも同種のテスト撮影をしてみました。

通常の4K60p動画と、60fpsの4K Photo(4KH8M) を同条件で撮影しています。わずかな差ですが、やはり4K Photo動画の方がよく解像しています。

190530|追記 小さく表示させて閲覧すると、4K Photo動画に切り替わった瞬間、シャッキリすると同時に建物の壁面(タイル)にモアレが発生しますね。

拡大画面

タイルの目地の溶け具合に着目するとわかります。シャープネスの強弱以上の差を感じます。


特にデメリット *1 *2 *3 もなさそうなので、しばらくはこちらの4K/6K Photoモードでの動画をメインに利用してみようと思います。


ちなみに、気になったので別の機種、DMC-G7の4K動画と4K Photo動画の解像感も比較してみましたが……

こちらは有意な差を見出せませんでした。


*1:180923|追記 6K Photo動画ではPhoto Style「Hybrid Log Gamma」が使えませんでした。残念。

*2:180924|追記  6K Photo動画ではマスターペデスタルの数値を調整できませんでした。残念。

*3:181019|追記 6K Photo動画では輝度レベルの設定を変更できませんでした。残念。

「超解像」の動画での挙動

Lumixのカメラにはどれも、「超解像(i.Resolution)」という機能があるのですが、どのような働きをするのかよくわかっていませんでした。

DC-GH5の6K Photo(3:2)の6K動画モード*1 で、テスト撮影をしてみました。

どうでしょう。

微妙ですが確かにシャープ感は増しているようです。[強]に設定してもリンギングの発生はごく僅か。繊細で、わりと好印象です。

普段、各フォトスタイルのシャープネス設定は最小値の[-5]にしていますが、そちらの相殺分も含め、しばらく[強]で使用してみようと思います。


DC-GH5で6K動画(ほんとは5Kぐらい)

DC-GH5はもともと動画に強いミラーレスカメラですが、いつの間にか6K動画 *1 が撮れるようになっていました。

GH5各種動画サイズ

4K(3840×2160)、C4K(4096×2160)の他に、

  • 高解像アナモフィックモードによる6K動画(4992×3744)
  • 6K Photo(S/Sモード)による6K動画(5184×3456|もちろん音声付き)

を10bit *2 の30pで撮影可能です。

これらを16:9の4K動画の素材として利用すると、

  • 解像力の高い、解像感の高い、
  • 微妙な角度補正・多少のトリミングによる構図調整の余裕もある、
  • ソフトウェアスタビライズしても(拡大で)粗くならない、

非常に高品質なものを便利に作れそうです。

比較撮影をしてみました。

各モードでの動画を4K動画サイズのシーケンスに配置しました。それぞれ同じ幅(3840px)になるよう縮小し、上下はクロップしています。

非常に解像感の高い動画になりました。


解像感を比較すると、

6K Photo > Anamorphic > 4K

の順でした。


アナモフィック動画(4992px)と6K Photo動画(5184px)の横幅はほとんど同じなのですが、明らかに6K Photo動画の方が解像感が高いようです。理由は不明です。もしかすると、6K Photoのみ、センサー全画素読み出しなのかもしれません。

設定していた[超解像(i.Resolution):強]が影響しているかもしれないので、検証したところ

180909|追記 超解像は関係ありませんでした。

180911|追記 ビットレートを比較してみたところ、

  • 4K:150Mbps
  • Anamorphic 6K:193Mbps
  • 6K Photo:191Mbps

でした。6K Photoのビットレートだけが特に高い、ということでもないようです。


通常の4K動画に比べ、残りの二つはコントラストがやや高いようです。理由は不明ですが、設定していた[iDレンジコントロール(i.Dynamic):強]が影響しているかもしれません。要検証です。

180909|追記 iDレンジコントロールは関係ありませんでした。単なる日差しの変化のようです。


190530|追記 「6KPhoto動画は電子手ぶれ補正を使えない/使わないからシャープなのでは?」と、気になったのでアナモフィック動画の電子手ぶれ補正オン・オフ2種とも比較してみました。やはり6K Photo動画のみが頭一つシャープです。


*1:横幅基準だと5K動画相当になります。

*2:ただし4:2:2ではなく、4:2:0です。

DC-GH5の動画撮影時のクロップ量

動画撮影用にPanasonicのDC-GH5を購入しました。まずは動画撮影時の画角の変化 *1 を調べてみました。

センサーフル幅で利用可能。

without E-Stabilization

いまどきのハイエンド機ということもあり、基本的には動画撮影時に左右がクロップされることはなく、センサーフル幅で撮影できます *2 。レンズ式手振れ補正・ボディ内手振れ補正も使えるようです。

また、画面のバリエーションも、

  • アナモフィック(Anamorphic)モード。4Kサイズと6Kサイズがあります。
  • 4K/6K Photo(3:2)他にも4:3もあります。16:9もありますが、4K Photoのみです。16:9の6K Photo *3 はありません。
  • Cinema 4K

など、通常の4K動画サイズ以外のものが増えています。

電子手振れ補正併用はクロップあり・条件あり。

with E-Stabilization

電子手振れ補正を併用すると、画面はクロップされます。

有効画素20Mの横幅5184pxに対して、内側の約4764pxを使います。約92%(面積比85%)です。焦点距離×1.088程度の画角の変化が発生します。

また、全ての画面サイズで電子手振れ補正が使えるわけではなく *4

  • アナモフィックモードでの電子手振れ補正の利用は4Kのみ。6K(高解像アナモフィックモード)では利用不可。
  • 4K/6K Photoでの電子手振れ補正は利用不可(本来は静止画目的なので当然ですが)。

など、それなりに排他的な条件があるようです。


*1:面倒なので細かな換算値は計算していません。

なども併せてご覧ください。

*2:センサーフル幅ですが、センサーからの「全画素読み出し」ではありません。製品紹介サイトでは、「センサー全域からの読み出しを実現」と、非常に曖昧な言い方で逃げています。

*3:あったらただの6K動画なんですけどね。

*4:190611|追記 使えなくなるのは「電子手ぶれ補正」のみで、「センサー手ぶれ補正」「レンズ手ぶれ補正」は使えます。

ワイドコンバージョンレンズでローファイな写真

_1000911

以前試してみた、ワイコンを使ったローファイな写真撮影をもう一度やってみました。結果はあまり芳しくありませんでした。

機材

P8250725

左から、

  • フード
    Hamaの大型フードを折りたたんで使用しています。
  • コンバージョンレンズ
    0.6倍のワイドコンバージョンレンズです。ビデオカメラ用の安物です。4,000円ほどで買えます。
  • フード(など)
    レンズとコンバージョンレンズの間に数mmほど隙間を空けるために噛ませています。フィルター(枠)なども使えます。
  • レンズ
    今回はLumixの25mm F1.7を使用しています。インナーフォーカス式なので前玉は動きません。けっこう重いコンバージョンレンズをフィルター枠にねじ込んでも、AFモーターには負荷はかかりません。
  • カメラ
    DMC-G7を使いました。絞り開放を前提にしているので、日中でも露出オーバーにならない電子シャッターが使えるモデルが必要です。

こちらを使って、換算30mm広角の周辺が大きく劣化したでもAFで手軽に、ローファイな写真を撮ろうとしています。

画質の改善

画質を向上させるためにコンバージョンレンズとレンズの間に隙間を空けました。*1今回は古いゴムフードを利用しています。

_1000802_1.7+WC _1000802_1.7+WC右

↑ 画面端で色収差が発生していますが、

_1000816_1.7+R+WC _1000816_1.7+R+WC右

↑ 隙間を空けることで若干改善しました。

ローファイな写真を撮ろうとしているのに画質の改善を行なうのも意味不明ですが……。

歪曲補正

_1000919

ワイコンを使うと樽型の歪曲が発生するので、raw現像時に補正しています。

Lightroomの「ゆがみ」の適用量[14]で歪曲はほぼ無くなりました。その分、周辺部は変形するので画質はさらに劣化しますが、それは良しとします。

作例

接写

_1000844

周辺部は意図通り劣化しますが、アウトフォーカスなのでよくわかりません。かなりうるさいボケが発生しました。

_1000899

コントラストを高めにすればシャープ感はでますが、中央の合焦部分が解像しているわけではありません。

近景

_1000905

_1000908

劣化した周辺部と普通に写る中央部、のはずなのですが差があまりありませんね。

遠景

_1000915

_1000892

_1000921

周辺部が劣化するので、メインモチーフが中央の「日の丸構図」でないと視点が定まりません。 ただ、風景を絞り開放で撮るのはあまり意味がありませんでした。


どれも単に中途半端に低画質な写真になってしまいました。何かもっと適切なモチーフとテーマがあれば作品化できるような気もしますが、モチベーションが持続しないのでここまでとします。

*1:Amazonの商品レビューにあったので試してみました。

2018年のDVD-Video制作

最近(2018年現在)の動画編集はもっぱらPremiere Pro CC 2018を使っています。iMovieやFinal Cut Pro Xを使っていた時期もありましたが、Premiereの色調補正の方法はLightroomによく似ており、使い始めてからは手放せなくなってしまいました。

今時のプロはどんどんDaVinci Resoleveに移行しているようですが、カラーホイールを使った色調補正は全く慣れません。

ところで、

訳あってDVD-Videoを焼く必要があり、調べてみたらちょっと驚いたのでエントリーしておきます。


  • AdobeのアプリでDVD-Videoを製作するには、Adobe Encoreが必要。
  • Adobe EncoreはCS6のPremiereにバンドルされていたアプリなので、CS6の追加インストールが必要。

最新のCCはDVD製作はスコープ外のようです。もう、個人でDVD-Videoを焼く人はいないのですね。


(それには気づかずに、)Premiereで16:9の素材を使ってDVD-Video用のMpegファイルを作成していたのですが、何度やっても左右に黒い枠線(余黒)が入ってしまいます。

DVD-Video用mpeg

調べてみたところ、

あ、これは知っています。720px幅で書き出される事自体は問題ありません。

お、これは知りませんでした。

計算すると、720*480の素材は、873*480にストレッチされることになります。おや? このサイズは16:9ではないですね……。さらに横長です。確かにそれなら左右に余黒が発生するのは辻褄が合います。

気になったので、手持ちのDVD映画をパソコンで再生してみましたが、元のVobファイルは720*480、再生時は16:9の853*480です。

どうもよくわかりません……。

これは仮説ですが、

  • Adobeのアプリだけが律儀にDVD-Videoの仕様通りにファイルを作成している。他社アプリは今時の環境*1に合わせてピクセルアスペクト比1.185で(黙って)書き出している。

という事なのでしょうか。


もやもやした気持ちのまま、結局、DVD-Videoの作成はRoxio Toastでさくっと済ませました。


エントリーを書きながらいろいろ検索してみましたが、こちらのページが一番自分の理解に近いようです。

fivetecvideo.at.webry.info


*1:(4:3のブラウン管ではなく)16:9の液晶テレビなど